価値の低い広告枠??漫画コンテンツでアドセンスの審査について

公開日:2019年3月20日
アドセンスのヘルプフォーラムを時々覗いては、サイトの向上に役立ている筆者です。
本日は、ヘルプフォーラムの質問に時々見かける「漫画コンテンツとアドセンスの審査」についての考察です。

©さんがつキュービクル 漫画コンテンツでアドセンスの審査について

漫画サイトでアドセンスを運営している筆者の考察なので、そんなに遠くかけ離れたお話では無いと思います。
これから漫画コンテンツでアドセンスの審査を検討している方なら、お読み頂いて審査通過や収益化についての参考資料にしてみて下さい。
漫画サイトの運営で収益は可能?


漫画サイトの審査の価値の低い広告枠について

アドセンスのボットは漫画の中身を理解できない?

漫画を描いてブログにアップして読んでもらう。SNSで発信する。

今でこそ簡単に発信が出来ますが、一昔前ならこのように作品を作ったり、発信したりする事は容易では無かったと思います。
しかし今は比較的安易にオリジナルのコンテンツを描いて漫画の投稿が出来ますね。
自信作をサイトに掲載して審査にのぞむ方も多いと思います。

しかし、いざアドセンスの審査に通してみると「価値の低い広告枠」扱いを受けて少々(かなり)凹んだという方も見受けられます。

オリジナルの作品で「価値が低い」や、「コンテンツの複製」扱いを受けた日にはショックで立ち直れないかもしれません。

ではどうしてオリジナルの漫画なのに、この様な評価をされてしまうのでしょうか?

まずはこの「価値の低い~」という文言。
大まかに言うと定型文なので漫画の評価ではありません。

そしてコンテンツの大部分を占める漫画の画像ですが、アドセンスのボットは、漫画画像の意味、つまり漫画のストーリーやお話の面白さを理解する事は出来ません。

画像挿入の際に追加した情報は読み取れますが、その画像がどんな意味をもたらすものなのか?つまり漫画内の文字や人物の表情を読みとり、漫画を読んだ人間の感情までは測る事が出来ないという事だと思います。


アドセンスの審査にはテキストが中心

続いては、アドセンスヘルプフォーラム(現在はコミュニティが解放されていますね。)の過去の質問からエキスパートさんの見解を少しご紹介です。

画像のみのブログについて - Google プロダクト フォーラム
質問主は私です。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、現在姉妹サイトで四コマ漫画を掲載し運営をしています。
その漫画サイトの立ち上げ当初の頃のお話ですが、「漫画画像のみのアドセンスの運営で支障が有るのか?どうか?」をお聞きしました。
その時の回答が以下の引用です。
日本語では、「コンテンツ ターゲティング」と訳されていますが、英語の原文は"Contextual targeting"です。コンテキスト(context)は、含まれる言葉にあるように、元来、テキストが中心となります。(画像は対象ではない、考慮しないということではありませんが、テキストが中心となります。)
サイトに配信される広告のターゲティング手法 - AdSense ヘルプ
Webmasterのガイドラインにも、「重要なテキストを画像に埋め込まない」という項目があります。
Google 画像検索に関するおすすめの方法 - Search Console ヘルプ
「特にページ見出しやメニュー項目などの重要なテキスト要素は埋め込まないで下さい。」とありますが、基本的にクローラーによるコンテンツの分析で、現状、画像内のテキストは考慮されていないと思います。また、目の不自由な方にとっては、画像内のテキストなどの情報は、altタグなど限定された情報ソースからのみ得ることになります。
4コマ漫画が悪いということでは、もちろんありません。コンテンツの対象ユーザーが異なるというだけです。AdSenseは、テキストコンテンツが基本的な対象となります。
上記の通りですね。
まず、コンテンツをメインに扱っているという事が大前提です。
さらに「画像に重要な文言を埋め込まないで下さい。」という事で、漫画コンテンツにお話を盛り込んでも審査では意味を成さないという解釈が生まれます。

つまり漫画や画像だけでは、アドセンス運営の(審査の)対象にはならない可能性が極めて高いという事です。




アドセンスのポリシーは漫画表現の幅を狭める

続いて、アドセンスのポリシーの部分を読んでみましょう。
アドセンスの運営サイトには絶対に扱えないという「禁止コンテンツ」というものが存在します。
禁止コンテンツ - AdSense ヘルプ

この項目を見ると、アダルトや暴力的なシーンは、例え漫画の表現であっても扱う事が難しいと理解が出来ると思います。

水着や下着姿がアダルト判定になる可能性があります。
決闘シーンが暴力的な画像の扱いを受ける可能性があります。
飲酒のシーンも場合によってはポリシー違反の通達を受ける可能性があります。

少なくともこの禁止のコンテンツに近い表現は避けるべきです。
扱う漫画の内容によってはかなり表現に制約を受ける事が理解できたかと思います。


アドセンスの広告が作品の邪魔をする場合がある

アドセンスの運営が始まれば、閲覧者の端末や環境によって他の漫画広告が入る可能性があります。
もしかしたら、その広告に興味をもたれて、漫画の途中でサイトから離脱する可能性があります。
サイト内の漫画を最後まで読んで貰えない可能性があります。

また、アドセンスのポシリーに沿った内容で漫画を描いていても、好ましくない漫画広告が入る可能性はゼロではありません。
全ての漫画広告がそうだとは言いませんが、中にはショッキングな画像が用いられる漫画広告があります。


漫画でアドセンスに合格する為には?

続いて、どうしても「漫画サイトでアドセンスの運営がしたい!」という方の為に、経験論と持論をお話します。

絶対に当てはまるという事ではありませんが、そう遠からず・・・という事で参考にして頂いて、ご自身の運営スタイルをお考え頂きたいと思います。

有益な情報を発信する漫画である

例えば、ちょっと悪い例です。
私の漫画ですが、どうって事の無い話。つまり情報の殆ど無い漫画。

「絶妙なタイミング」タッチの差で回転すしのメニューは売り切れる! - さんがつ家の徒然漫画

内容は回転すしのメニューが売り切れた時のお話です。
オチも無ければ、それ以上の情報の発信はありません。
あるとすれば共感だけです。
苦し紛れに文字情報を書いていますが、それですらどうって事のないただの感想です。

「漫画なので面白く掛けた。」と勘違いしますが、情報としての面白味は全くありません。
漫画の内容を文字情報に変換すれば、これこそが「価値の低い広告枠」です。

ですのでアドセンスの審査を目指すなら、「読んだ方に有益な情報になる様な内容の漫画」の方が好ましいと思います。


文字情報が沢山書ける内容を漫画にする

上記の様に「読んだ方に有益な情報になる漫画」を扱う場合は、コマ内で表現しきれない部分が沢山あると思います。

商品スペックだったり、サービスの細かな内容だったり、お店の休日情報や駐車場の有無等です。
こういった細かな事を文字情報として沢山書いてみましょう。

アドセンスの基本は文字情報です。

アドセンスの審査では漫画は説明用の画像扱いです。
そういった気持ちで文字情報が沢山書ける内容のお話を漫画にすれば、審査に通過しやすいサイトになると思います。

漫画の読みやすさ

続いて漫画のクオリティーの話。

恐らく漫画画像の後に文字情報を書くスタイルが多いと思います。
他に「前書き・漫画画像・文字」と続くスタイルもありますね。

配置の面で考えると、サイトは漫画推しですから、文字情報の前に漫画画像を載せる事が自然な流れだと思います。

ですので、読みにくい漫画を配置すれば離脱されて、文字情報まで辿りついてもらえない可能性があります。

読みやすい漫画が大事だという事です。
絵や雰囲気は作者に委ねられていましますので、それ以外で工夫すべき点は「コマの大きさ」や「文字の大きさ」になります。

プロの娯楽コンテンツならその手間をかけて読んでもらえますが、一般人の無名の作品においては、スマホからわざわざ画像を拡大しないと文字が読めない様な漫画は、漫画の出来云々の前にコンテンツとして不適切な可能性があります。

漫画の中身以外にも気を配る必要があると思います。


表現に気を付ける

当たり前ですが、アドセンスの禁止コンテンツに該当しない表現で作品を描いて下さい。
お子さんの上半身裸のイラストや流血シーン(鼻血)等にも繊細に気を配りましょう。


著作権を記載

機械的な審査の段階で、この漫画がオリジナルの作品かどうか?の判別をして審査の合否を判断する様な事はまず無いと思います。

ですので、サイトポリシーやエントリー内に漫画の作者情報を載せる方が良い効果が出る様に思います。
つまり「この漫画は運営者が描いたものであり、無断使用ではありません。」という様な事を明記するのです。

例え自分の漫画であってもそいうった姿勢を見せる方が審査に様効果がある様です。
実際にそうされた方が審査に通過したというお話をヘルプフォーラム内で見かけましたので、工夫として取り入れて良いと思います。


まず審査サイトからの発信が好ましい

SNSで先に漫画を公開し、その後にブログに載せる方や、埋め込みで公開される方がいらっしゃいます。
この手順は「コンテンツの複製」扱いになる可能性が高いと考えます。

もしSNSへ発信する予定があるなら、ブログ発信の後にSNS上へ掲載する方が良さそうです。

ブログに限らず一度WEB上へ流れた画像は他意があろうが無かろうがどこかで流用される可能性があります。
そのまま複製されて、他者のサイトが「オリジナルの漫画です!」と公開する可能性があります。
そうならない為の予防策として、サイトに漫画画像を設置し、その後にSNSで発信というのは有効な手段になると思います。
効果は抜群ではありませんが、しないよりマシだという程度でお考え下さい。



最後に

最近のアドセンスの審査では、価値のある情報を発信するサイトが望まれている様です。

娯楽ありきの漫画は、漫画そのものが面白ければ価値のある内容になりますが、残念ながら審査の機械判定ではその価値の判定は出来そうにありません。

「娯楽漫画は、アドセンスの審査には不向きだ」という事を踏まえて、サイトの収益化を目指すのか、コンテンツとしての収益化を検討するのか?を良く考えて頂きたいなぁと思います。

収益が目的なら月間のPV数を稼ぐ必要があります。
文字情報だったり、サイトの管理が必要です。
ポリシーを守る必要もあります。
それに初心者のサイトでは月にワンコインが稼げるかどうか微妙なものです。

しかし、漫画はコンテンツとして販売したり投稿したりして作品そのものを商品として収益にする事も可能です。

この二択以外にも様々な選択肢が存在します。
どの様な方向での収益化が望ましいか?を良く考えてチョイスして下さいね。


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